蟲 師 漆 原 友 紀

蟲　それは動・植物とはちがう形も存在も曖昧な者達。


ヒトと蟲が重なったとき人智を超えておこる奇怪な妖しき現象。
それはぞっとさせながらも　美しく、哀しい。
奥深い山奥の過去の日本のような世界なのだけれど
ギンコの服がやけに現代風なのがまだ明かされぬ謎を秘めている様にも感じられる。

蟲たちは山や沼、海などにすむ精霊のような神秘的なものもいれば、
音や記憶を喰ったり錆びをだしたりと困ったものたちもいる。　
また、ヒトの目には見えないものみせたり、生き返させたりっと
一見すごい能力！！なんてものもいるのです。

しかし大抵は人に真逆の世界を見せ付ける。
みえない・みえる。　生きる･死ぬ。利用する･報いをうける。　
ヒトはその力の大きさにはなすすべもないのです・・。
それらと決別できたもの。
彼らとともに生きねばならないもの。
ギンコの旅は蟲とヒトとの結びきにおこる　その哀しみの残骸を
拾い集めているかのようです・・・。

予知夢を見せる蟲 「枕小路」コレは衝撃的。昔の風習に眠る哀しき現実を綴る「やまねむる」「旅をする沼」「重い実」「露を吸う群れ」 など・・どれも感慨深い作品です。１話完結の短編となっていますので　どの巻読んでも楽しめます。　その魔可不思議な世界をぜひあなたも感じてくださいね♪
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