ゆうた あんた今どこにいる?
川かしら 海かしら 雨かしら
ああ そうだね あんたはどこにでもいるんだものね。

雨蠱(うこ)という蟲に寄生された悲しき親子の物語。
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泳ぎが達者で体が異常に冷たい---
ギンコの予測通り少年は雨蠱(うこ)に寄生されていた。
それは 雨に紛れ川へ流れ込み 群れて
青い巨大魚のような姿で川を下り海へ出て子をなす。
そしてまた水蒸気に紛れ、雨となり山河に降りそそぐ-----
まれに溺れた人に寄生するが・・
本来はサンショウウオなどに寄生し数年たつと同化して
水に消えてしまうのだという。
ギンコの薬のお陰で、友人もでき
普通・・になってきた我が子に喜ぶ母親ですが
薬は現状維持のみ。蟲が抜けることはないというギンコ。
そんな我が子を抱きしめる母親の姿が切ない・・・
「谷の水、どこからくる?」
『空の雲から降ってくるのよ』
「じゃあ、空の雲は?」
『海から生まれるのよ』
「海?」
『この川の行き着くところよ。たくさん水のあるところ』
「海も川も雨も雲も全部 一緒なの?」
『そうよ 形は違ってもみんな同じなの』
母の言葉に瞳を輝かせる少年。
しかし 大雨と洪水に見舞われた日---
彼は自分の運命を知っているかのようにつぶやく
「もう…行かなきゃ」
危機を察し現れたギンコはそんな彼を止めることに成功しますが・・
彼は母親の胸の中で静かに 消えて行ったのでした。
川で溺れたのは実は母親----。
その事故で彼女は夫を失っていたのだ。
雨蟲はその時胎児だった彼に寄生し
もう分離できない程 深く深く一体化してしまった---
しかし寄生されたからこそ今の2人の命がある・・とギンコは言う。

「あいつは生きた。確かにここに、生きていた・・・・」
確かに雨蟲は
2人に幸せな日々をくれた・・ともいえるのかもしれない。
しかし・・残された母親が やっぱせつなかった~~。
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[T14030] 蟲師 続章 第17話 『水碧む(みずあおむ)』 タキに救いは無いんだろうか。