「およそ遠しとされしもの 下等で奇怪 見慣れた動植物とはまるで違うとおぼしきモノ達
それら異形の一群をヒトは古くから畏れを含み いつしか総じて「蟲」と呼んだ。
◎見逃していた1~13話をようやく見終えましたので簡単ですが記しとこうと思います。
アニメは原作を忠実に再現。幽玄な風景、不可思議な蟲たち・その現象--全てが息をのむ美しさで迫ってきます。
世界に誇れる作品--私はそう思います♪


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第1話「緑の座」描いたものすべてを具象化できる神の筆を操るしんらと彼を見守り続けていた祖母廉子のお話。

「これより三十一年後に誕生するそなたの孫は生物世界を変える程の 特異な性質を持って生まれてくる、そなたには生涯その目付けをしてほしいのだ。」彼女はその盃を受け取った。しかしその儀式の中断により彼女の体は別れ1つは蟲でも人でもないものとなったのだという。ギンコはしんらに盃を描かせ儀式を再開。完全に蟲となった廉子ですが ソコには顔を合わせはにかんだ2人の姿があったのでした・・・。もうこれからは2人も孤独ではない・・・。盃から流れ出す光酒---映像の美しさにクラクラ・・・。人ならぬ力を持った自分を傍で一生守り導くことを決意した祖母の思い・それをしったしんらの涙・・・。全てが美しかった。
第2話 「瞼の光」瞼の裏あるもうひとつ瞼に潜む「闇蟲」に侵された少女スイの物語。 
光遮る真っ暗な蔵の中で暮らす少女が瞼の内に見るものは、真の闇の中、光る河とその対岸に座る片目の男……。
「心の中まで光を失ってしまわないようについててあげるんだよ。」親も見放したスイに優しかったビキの母も息子が同じ病に冒されたと知ってパニックに。ショックからスイは遂に目を食われてしまう-----。ギンコは自分の義眼にこの蟲を注入しどうにか片目だけ光を取り戻したスイなのでした---。
瞼の下の瞼の閉じ方を忘れた人間たち。かつては「そのもの」を見過ぎたばかりに多くが目玉を失ったという。ギンコが言う2つ目の瞼に見える闇とは絶望---といったものなのでしょうか・・。深いです・・・。
第3話 「柔らかい角」(映画化)
雪の降る夜 音が消えたら 誰かと話すか 耳を塞げ さもなきゃ耳が喰われるぞ
村人達が次々と失聴---。それは音を奪う蟲:呍(うん)が原因だった。塩水で治癒出来ると言うギンコ。しかし角が生えそこから聞こえる騒音に苦む少年を救えないギンコ。それは無音を奪う蟲(阿)が原因だった。そんなギンコに対処法のヒントをくれたのは同じ病で逝った少年の母の言葉。それは「両耳をふさぎ自分の内なる音を聞くこと」だったのだ。その音は自分の生きる音、命の音。雪の風景がともかく美しい~!人の雑多な言葉には耳を閉じ自分の内なる声をきけ、苦しむな。そんなメッセージ感じました。
第4話 「枕小路」見た夢を現実にしてしまう「蟲:夢野間(ゆめののあわい)」に侵された人間の物語・・・。壮絶・・・(涙)

夢で見たことが次々と現実に---。これは予知夢?しかし災害を予知できず娘を、そして夢見た病で妻を失った時男はきづく。「俺がこれまで予言してきた事は全て俺の夢が作り出したことだったんだのだと----。「死ねばよかったんだよ!こんな災いの元は!何故生かしておいた、何故!」絶望に沈む彼に「どちらも生きていただけ。蟲もお前も悪くない」そう励ますギンコ。その後--原因(枕)を掴み蟲と断ち切れたものの、彼は夢を見る怖さに耐えかね---遂には自ら命を絶ったのでした----。彼が最期に見た娘や妻と会う夢がこんなことだったのかと思うと泣ける。「いい夢見ろよ」冒頭言ったギンコの言葉通り、みんなが幸せになる夢をみれたなら 凄い力にもなったろうに・・・。なんだかやり切れない悲しすぎるお話でした。
第5話「旅をする沼」移動する沼とともに生きてきたという・・緑の髪の少女のお話
彼女は 昔 村人により水神への生贄にされたのだという---。彼女は「水蟲」のお陰で水の中で生きていたようだ。しかし やがては自身も透けだし溶け水となるらしい。「沼は彼女が見つけた自分の居場所・ 私 この沼の一部になるの」そうつぶやく少女を必死に止めるギンコ。何が正しいのかなんてわからない。でもだめだ!(廉子には蟲として生きること=幸せだと思った。でも彼女にとってそれは幸せではない・・そう思ったようです) 皆の協力で無事彼女を救ったギンコなのでした。
「自分が沼に溶けてゆくのすごくすごく怖かったけど・海へ出たら沼が死んでゆくのがわかって悲しかった・・・」
「あれは数万年は生きているお前はその最期の旅に同行したわけだ。会えてよかったな」
そんな会話にじんとさせられました。 流れついた海で彼女は新たな自分の場所を見つけたよう。
緑の髪も素敵だったけど凛と前を向いた黒髪の彼女はもっと美しかった!!
第6話 「露を吸う群」」『いい香りだろう吸うってごらん?』
潮に阻まれた孤島で「生き神」として崇められる少女がいた。毎日夜になると急速に老いて死ぬも翌日には生き返るのだ。しかし実はその裏には「蟲」を悪用した人間の姿が・・。全てが露見した時 彼は島民たちに殺されたのだった・・。生き神の始まりは朝顔のような花の香(蟲)をかいだ事。彼女を救おうとする少年とギンコですが・・彼女はそれを拒んだ---。「ごめん・・・ね、ナギ。向こうなら、生きて・・・いけるの」この蟲の寿命(1日)を生きてきた彼女にとって人としての膨大な時間は--恐怖以外の何ものでもなかったのだ。 彼女は私たちに、短くもその一瞬に幸せを感じ生きる事の素晴らしさを伝えてくれた・・・。でも、知ってほしかった。
先の見えない未来を生きるのは確かに怖い。けれど怖いだけじゃないことを****。
第7話 「雨がくる虹がたつ」ギンコの初めての友人虹郎の物語(笑)(映画化)

雨後の空にかかる、妖しくも美しい光の束を追い続けることを己の人生とした、数奇な男がいた・・病床についたその男(父)に代わりそれを追う息子虹郎とであったギンコは彼と共にその虹を追う事になる。それは虹蛇(こうだ)という蟲だったからだ。 本当は逃避だろ?と指摘され告白する虹郎「俺はしょせん負け犬。何か生きるための目的を作らにゃ、ただ生きてくことすらできねえ---」クールなギンコを饒舌にする・・明るい虹郎ににんまり(笑)そしてついに2人は虹蛇にたどり着く--。しかしこの蟲は「ながれもの(生きているが自然現象そのもの)」触れてはならぬものなのだ--。いや~~。本当に美しい~~~!映画も綺麗だったっけ・・・。ラストではそれぞれに自分の道を歩く二人の姿が。虹は掴むものではなく未来へ渡る橋--だったのかもですね・・。
第8話「海境より」蟲:海千山千(海に千年、山に千年生きた蛇は竜になる)現象に巻き込まれた夫婦の物語
2年前 駆け落ち中 海に消えた嫁の帰りを待っている男がいた。全ては海千山千現象のせい。あきらめて前を向くよう告げるギンコですが、再度この現象に遭遇し 彼を連れ海へ漕ぎ出す。するとその靄に嫁の姿が--。彼はあやまった。仲違いをしたまま逝かせてしまったことを助けられなかったことを----。赦しあうことができた2人に涙でした・・・。「あのもやの中からは、陸に戻ろうと望む者にしか 戻れないのだ・・・・」彼女が助からなかったのは--親を捨て彼を選びその彼に冷たくされた彼女には帰る場所が見えなかったということなんでしょうかね~。せつないです。蟲により引き裂かれた2人。でも謝るチャンスをくれたともいえそう。とはいえやっぱ嫁はかわいいそうだったな・・・
第9話「重い実」蟲師最大の禁忌「ナラズの実(土に埋めれば周囲に一年限りの豊穣をもたらし、代償として恵みを受けた生命体の一つを奪ってゆく」の物語
天災のたびに、一人の命と引き換えに豊作になるという噂の村へやってきたギンコ。豊作の後 瑞歯が生え抜けると同時に死ぬ--それはギンコの推理通り「ナラズの実)の生だった。「この程度の罪ならば誰もが手を染めるだろう。1人失っても 大勢の命が助かるのなら・・・。」―始まりはこの地の祭主のそんな思いから。しかし妻がその犠牲者となった時、男はその過ちに気づいたのだった。次は自分・・そう決意し毒で体を弱らせていた男にギンコは「ナラズの実を飲む」ことを提案する。それはこの呪いを終わらせるとともに彼が永遠の命を得ること(禁忌)でもあったのだ----。彼は実をのんだ。それは彼の贖罪だったんだろう。そして彼はこの地の行く末を生涯見守ることを誓ったのでした。人にとってそれはまさに禁忌の実だったことは言うまでもないだろう・・・。
第10話「硯に棲む白」次々と奇病に冒される不吉な硯とそれを創った職人「たが」の苦悩を描いた物語。
その原因は---蟲「雲食み(空気中の水を吸い霰を地表に落とす。地に落ち水分がなくなると仮死状態となり石の中で眠る)が宿った石で硯を創ってしまった事。解決方法はその蟲をもとの雲にもどすことだという----。
病にかかった者たちを山の上に連れていくと口から一斉に飛び立つっていく虫たちの姿が---。美しい・・・。
「あんたが許せんのは蟲の眠る硯を世に出しちまった自分の罪だろう。 なら、硯から蟲を解放してやったらどうだ・・」
硯から解放された蟲たちは大きな雲のように空へ広がって村に大量のあられを降らせたのでした。
多くの人を死に追いやった蟲たち。でも彼らはただそこにいただけ・・・。とはいえタガにある罪の意識が消えることはないでしょうね~。ちょっとやりきれないです。そこには大事なコレクションを失い(蟲入り硯)がっくり肩を落とした化野の姿もあったのでした(苦笑)
第11話「やまねむる」人は神にはなれない・・・・そんな物語…(涙)
山の異変の原因はムジカが不在のせい。しかしギンコは彼こそが山のヌシであることに気づく。
そして彼が本当は自分の消滅を願いヌシ喰いの蟲「クチナワ」を呼んでいた事も---。
「あれは安定をもたらす蟲。こうするのは俺の使命だ、邪魔せんでくれ!」とムジカは言った。
「人がヌシになるとは、よっぽどのことがあったんだな・・」というギンコの言葉が示すようにそれは想像できない重責だったのだろう。「クチナワ」は彼の救い・・でもあったのかもしれない。そそれでも 里の皆に愛され慕われている彼をこんな形で逝かせたくないギンコは 必死に止めようと奮闘するのですが・・・彼はクチワナに食われてしまったのでした。
その時 流れ込んだ彼の記憶 ソコにはヌシの血で染まった妻の姿が。「山のヌシを殺して喰い自分がヌシになればここに住める・・」彼は自分を愛するが故に起こした妻の過ちゆえにヌシとして生きることになった事が判明--。去り際に姿を見せたクチナワ(巨大な真っ白い蛇)の姿はまさにヌシで・・・。切ないながら壮大なお話でした!
第12話 「眇の魚(すがめのうお)」「 蟲師とは」ずっと遥か古来からその術を探してきた者達のこと
ギンコのルーツ(少年ヨキがギンコと呼ばれるようになるまで)が明かされる物語----。
母を失い山中で行き倒れたギンコを救ったのは蟲師ぬい。彼女はこの沼で「蟲 常闇」に奪われた家族を探し続けていた。しかし自分もまた常闇に取り込まれつつあることに気づく。それをしりヨキを遠ざけるぬいと彼女を慕い何とか傍にいようとするヨキの姿が切ないです。しかし遂にぬいは常闇に囚われてしまうのです。ぬいの言葉に従い「銀蟲」に片目をあげたが故に常闇からは逃れられたヨキ。そうこの時、彼は記憶を黒髪を片目を失い、ぬいと同じ「蟲を寄せ付ける性質の為ひとところにいられない」そんな体になったのだ。「畏れや怒りに目を眩まされるな、皆ただそれぞれがあるようにあるだけ」「逃れられる物からは知恵ある我々が逃れればいい」 「 ヨキ、お前はもう出てお行き。もうどうにもならなくていいと思ってきたのに、お前がいると辛いばかりだ。お前なら旅の暮らしもできるだろう。愛する故郷のないことは、きっと お前には幸運だ」ギンコ(銀蟲)とは彼が覚えていた唯一の言葉。しかし こうしたぬいの言葉はきっと彼のどこかに生きている・・・そう思いたい。
第13話「一夜橋」 断れば村への 支援は切られ、家族たちは村八分になるだろう--。

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縁談を迫られ駆け落ち中橋から落ちたハナは奇跡的に生還。しかしぬけがらのようになったハナを村人は「谷戻りだ」といって恐れた。全ては自分のせい---男は村八分となりながらも彼女を思い続けていたのだった。しかし・・
「彼女はもう死んでいる 蟲ニセカズラによって生き長らえているだけだ」というギンコ。しかし暖かな体温をもち動いている・・そんな彼女が死んでいるなんて誰が信じられるだろうか・・・。救う道は20年に一度ニセカズラが作る橋(一夜橋)で外の世界を目指すこと---。しかしハナは直後蟲がぬけ死亡してしまう。悲しむゼンを連れ一夜橋へ急ぐギンコ「未練はないな、この橋は戻れば落ちるぞ--」しかし彼は振り返ってしまい谷底へ落ちていったのでした。彼を振り返らせたモノ。それはあの日のハナと同じ。「自分だけ幸せにはなれない----。」そんな思いだったのでしょう・・・(涙)
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